泣いていたのは、僕だった。
「なぁ、お前も俺たち側だろう?」
高峰が微笑み問いかけてくる。
「だからそんな仕事してんだろう?」
「……心外だなぁ。僕を一緒にしないでくれる。」
引き金を引こうとした瞬間、高峰が待ったをかけた。
「これ、見てみろよ。」
彼はパーカーのジッパーを下げ、前を広げてみせる。
中には数十個の爆弾。
「今撃ったら、お前も巻き添えだ。両サイドの建物巻き込めるぐらいの威力はあるぜ。」
「それで脅したつもり?僕は死に恐怖しない。」
「だろうな。」
高峰は肩を竦めた。
「どうしようもない連中だけどよ。俺にとって部下は家族みたいなもんだったんだよ。」
「?」
「あいつらの分の落とし前はつけさせてもらうぜ。」
瞬間、後頭部に鈍い傷み。
何者かに後ろから殴られたようで、僕の意識は遠退いていった。