泣いていたのは、僕だった。
side創
―創side―
終始文句を言い続ける隆と、買い出しを終え帰宅する。
中には誰も居ず、置き手紙が一枚。
『仕事行ってくる。
晩ご飯はぜってー残しといてな!!』
と書かれていた。
文面的に翔一かな。
「ん?アイツら居ねーの?」
「仕事行ったみたいですよ。」
「へぇ。ご苦労なこった。」
ソファーに腰掛け、隆は煙草に火をつける。
「隆……」
「あ?」
「あの二人について、どう思いますか?」
僕も隆の隣に腰を下ろした。
「以前、真司が翔一と仲間じゃないって言っていたのを覚えてますか?」
隆は黙って頷く。
「真司に聞いたんですよ。どういう意味なのかって。そしたら……」
僕は言葉を切って、隆の目を見た。
「“翔一はいつか僕を殺す”って言うんですよ、真司が。それも嬉しそうに。」
「………真司は食えねぇ奴だからな。何を考えてんのか、さっぱりだ。」
「あの二人、一見支え合っているようですけど、僕は見ていてアンバランスな関係だと思います。」
隆は煙を吐き出して、鼻で笑った。