泣いていたのは、僕だった。


「アイツらはそのアンバランスな関係がいいんじゃねーの?きっとそれしか知らねーんだよ。あの二人は。」
「…………」
「ああいう関係でしか、繋がりを築けないんじゃねーかな。」


だから心配ばっかするな、と隆が僕の頭を小突いた。


「…はい。そうですね。余計な心配でした。」
「そーそー。そんなことより飯作ってくれよ。」
「今日は皆さんが好きなオムライスにしましょう。」
「お!いいねぇ。」


買ってきた食材を片づけるべく、僕はソファーから立ち上がる。



「そう言えば、隆。」
「?」
「僕とアナタの関係ってなんでしょうかね?」
「そりゃあ、あれだ」


隆は僕から顔を背け、


「切っても切れない腐れ縁の悪友様ってとこじゃねーか?」


頭を掻きながら、そう言った。


「悪友ですか。異論はないですね。」


彼には見えていないだろう。

僕が微笑んでいたことが。



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