泣いていたのは、僕だった。
side創
―創side―
時計の針が23時に辿り着いた。
「二人とも遅いですね…」
「あ?ああ、そう言えばそうだな。」
彼らが家を出てから少なくとも四時間以上が経っているだろう。
作り置きしていたオムライスは、すっかり冷え切ってしまった。
「何かあったんでしょうか?」
「……ま、大丈夫だろ。翔一はともかく、真司はヘマするような奴じゃねーし。」
隆の言うとおりだと思う反面、嫌なざわつきが胸につっかえた。
――ガチャッとドアの開く音がしたのは、それから数分してのことだった。
「帰ってきたみたいですね。」
「だから言ったろ?」
と言いつつ、隆も立ち上がり玄関へと向かった。