泣いていたのは、僕だった。
「ん………」
深い闇から覚醒する。
重たい瞼を開けると、視界には創くんの顔。
「あ、目が覚めましたか。」
僕はベッドに横たわり、創くんは僕の着ているシャツのボタンを外しているところだった。
「もしかして僕、襲われてる?」
「……冗談を言えるぐらいには回復したみたいですね。包帯を換えるところです。大人しくしていてください。」
そう言えば左肩と腹部が痛む。
ああ、そっか。
乃南さんに撃たれたんだっけ。
「翔一、怪我なかった?」
「幸いアナタだけですよ。」
「そう」
「無茶しますね。手当するこっちの身にもなってください。」
文句を言いながらも、創くんは手際よく包帯を巻き直してくれる。
「しばらくは絶対安静ですよ。」
「…………」
「それにしても……正直驚きましたよ。アナタが翔一を庇ったなんて。」
「翔一は僕の所有物だからね。自分のモノを守るのは当然の事。」
そんなものですか、と創くんは納得いかない様子で呟いた。