泣いていたのは、僕だった。
真司が目を覚ましたのは、二日後のことだった。
「真司、大丈夫か?」
「………なんとか生きてたみたい。」
いつもの調子で真司はおどけた。
「ったく……無茶するから傷口が開いたって、創が怒ってたぞ。」
「ははは、高額請求されそうだなぁ。」
「俺らだけでも片付けられたのに……余計なことしやがって。」
「うん、ごめんね?」
こういう時、友達とか仲間なら“ありがとう”って言うんだろうか?
「――似てると思った?」
唐突の質問に俺は首を傾げた。
真司は笑ってもう一度尋ねてくる。
「僕と乃南さん、似てると思った?」
「…………」
確かに最初は思った。
でも………
「似てねぇよ。お前の方がムカつく表情(かお)してるしな。」
俺の返答は真司にとって予想外だったらしく、小さく目を開いた。
「………そっか。」
「………そうだよ。」