泣いていたのは、僕だった。
side真司
―真司side―
「――嫌だぁぁぁああああ」
家中に響き渡る悲鳴に目を覚ました。
傷はまだ癒えていない。
鈍い痛みが身体に残っている。
無茶したから当然か。
それより……
「嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だぁっ!!」
ドアの向こうから聞こえる声。
これは翔一の声。
前にも、こんな事があったな。頭は冷静に動いていた。
僕は重たい体を起こし、部屋のドアを開けた。
ドアの向こうに広がる光景。
物が散乱し、床に散らばっている。
翔一が部屋の真ん中で、頭を抱え、発狂していた。
創くんも隆くんも、目を丸くさせて翔一を凝視している。
「あーあ、派手にやってるね。」
「真司、アナタ起き上がって大丈夫なんですか?」
「今はそれ所じゃないでしょ」
肩を竦めて翔一を指すと、創くんもそうですね、と頷いた。
「こうなるのは久しぶりだね。」
「前にもなったことがあるんですか?」
「何回かね。」
「……抑える方法は?」
「確かな方法はないかな。」