覆面レスラー少女H

高橋君に叩かれながらも私は、高橋君の首に足を巻き付け柔道の三角絞めの態勢に入ろうとした。




この技は、山尾に習っていたが、高橋君は、気が付くと私の足をどけて立ち上がった。




さすが、高橋君敏感と思いながら私も立ち上がった。




しかし、鼻血は、出てるし片方の目の上を切ったのかやたらに視界が悪かった。



「ハスミ!高橋君!行け!

高橋!女だと思って油断するなよ!

クウいい試合だな!

尻の穴もハスミは違う穴も締めて行け!」




山尾の声が聞こえた。



何の穴だよ!くそオヤジ!と思った。




観客からも高橋!と言う声援とハスミ!と言う声援が半分くらいだった。




今まで夢中で何も耳に入らなかったが観客は、ものすごくヒートアップしてるようだった。




私は、自分がわりと冷静なのに気付いた。




強いファイターは、熱くなりながらも冷静だとある有名な格闘技家が言っていたのを思い出した。




高橋君は、キックを止めるとパンチを放って来たが、私には高橋君のパンチが良く見えていた。




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