覆面レスラー少女H
「ふ~ん、それいいね。
ところで、二千回とっくに終わってるから休憩しない。
ハスミちゃん気付いてなかったでしょう?」
え~!早く言ってよ高橋君と思いながらもどうやら他の妄想は、聞かれてなかったようでホッとした。
高橋君は、縄跳びを止めて倉庫にある冷蔵庫から牛乳パックを二本持って来て一本を私に渡した。
私も高橋君も一気に牛乳を飲んだ。
こういうのを入れてくれているのは、たいていミスター金だった。
「ハスミちゃん、金さんに冷たいよね?
あの人なんだかんだ言ってもこのプロレス団体を支えてるし実は、かなり強いんだよ。
悪役として十年くらい前まで、メジャー団体に居たんだよ。」
私は、十八歳なのに牛乳を一気飲みする自分に少々哀しみを感じていたが、高橋君の発言には、びっくりした。
「え~!本当に!」
「嘘言っても仕方ないよ。
大メジャーの真日本プロレスで、覆面レスラーやってたんだよ。
それに、あの人元々アマレスの選手だったし、かなりの所まで行ったらしいよ。
もちろん山尾さんには、負けるけどね。」