覆面レスラー少女H
「山尾さんも元々メジャー団体なの?」
「ああ山尾さんはあちこちだよ。
山尾さんは、メジャーにも居たし、インディー団体にも居たし海外にも行ってたよ。
うちの他のメンバーも今は、素人みたいに見えるかも知れないけど、皆それぞれ
かなりの経歴を持ってるよ。
山尾さんは、今でもシュートでもなかなか勝てる人は、少ないと思うよ。
それに、あの人は、シュートにこだわらず今でも最高のプロレスラーの一人だよ。
四十七だけど、体力的な衰えも少ないしからね。」
高橋君は、熱い目をして話した。
私は、一瞬私に対して熱い目をしてるのかと思いドキリとした。
山尾のオヤジに対しての熱い目だった事が分かると私のドキリを返して欲しいと思った。
「皆、駄目なようで凄いんだね。」
私は、高橋君に自分の気持ちを悟られないように軽く言った。
「だけど、練習不足だよ。
まぁ皆生活があるから仕方ないけどね。
僕も二十一だから本当は、もっと生活も考えないといけないんだけどね。」
二十一だと私は、十九か二十くらいだと思っていたので少しだけがっかりした。