覆面レスラー少女H
横から不意をついてはね飛ばしたとは言え九州力の身体が、大きく宙に浮いて落ちていた。
九州力は、直ぐには起きられずに、かなりのダメージを食らったようだった。
ヘビー級の男をここまではね飛ばした山尾に、ファンは驚いたようだった。
そして、アントンを挑発した行動も波紋を呼んでいる。
アントンは、新聞紙上で不快感を露にしていた。
この世界で本気でアントンを怒らせると言う事は大変な事なのだ。
私は、高橋君に聞いた。
「あの乱入は、九州力知ってたのかな?」
「多分知ってたと思うよ…膠着して混乱してるカード発表等に何か起爆剤に、なればと思って打合せしたんだと思うよ。
だけど、あんなに飛ばされるとは予想してなかっただろうね…」
「どうなるんだろうね?」
「どうなっても、僕達は戦うんだよ。誰と戦っても良いように準備しないとね。」
高橋君の目に強い意志の光が表れていた。
あーあの目で迫られたら…私はやった事ない事だってチャレンジするだろうと思う。
もう信じられないような事までするだろうと確信してする。
信じられない事……そんなの言えないよ。