覆面レスラー少女H
しかし、どちらも疲れてるとは言え三ラウンドになるとミスター金の方が不利だと思われた。
ミスター金は、自分自身で何度も顔を張った。
最終ラウンドのゴングが、なると観客から大きな拍手が起こった。
ミスター金コールが起こり始めた。
これには、驚いた。
ここは真日本のホームなのだ。
敵扱いされているミスター金にコールが起こるとは思わなかった。
「スゲーなあ。これでこそプロレスラーだよ。」
高橋君が尊敬の言葉を呟いた。
まさか、実力者とは言えここまでミスター金が、若き中山に立ち向かうとは思わなかったのだろう。
観客の気持ちも私には分かる。
四十二歳なのに……
イケメンじゃないけど何だかかっこいいと思ってしまう。