覆面レスラー少女H
高橋君は、私の手を掴むと強引に抱き締めた。
「ハスミちゃんありがとう。行ってくるよ。」
高橋君は、それだけ言うと控え室に戻り行きます!!と大きな声をあげた。
もっと抱き締められたかったな…と思ったが、これでいいのだとバカボンのパパのように思う事にした。
セコンドには、山尾と玉田とミスター金が、付いた。
ミスター金は太ももを負傷していたが、病院は後でいいと言って付く。
九州力が、お馴染みの入場曲で入ってきた。
リングインするとオープンフィンガーグローブを着けた手を高々と上げた。
スターのオーラがモニターで観ていても伝わって来る。
しかし高橋君も吹っ切れたように落ち着いていた。
ほっとする。
ゴングが、なると高橋君は、ダッシュして九州力に向かって行った。