覆面レスラー少女H


しかし、私は、おだてに弱かったし失業中だった。




子供の頃から君ならやれると言われて皆が嫌がる生徒会長をやってしまったりトイレ当番を何年間も真面目にやってしまったり、ヤンキーの使い走りを高校時代は、三年間続けたりとおだてられたらなんでもやってしまうのだ。




初体験だって……そんな感じだった。




自分自身の意志で入ったキャバクラは、きちんと上手く話せないし、お客を何度か怒らせたり色々あった為に首になった。




人に誉められると伸びるタイプなのだ。




それで、こうしてカビ臭い倉庫でスクワットをやってるのだ。




山尾は、私が失業中だと知ると十万円をくれこれでしばらくしのげと言った。




ただしプロテインは、自腹だぞとも付け加えた。




私は、両親に内緒で山尾の心日本プロレスに入団した。




しかし、来る日も来る日も練習だった。



私は、中学生の時に、少しテニスをやったくらいでスポーツとは、無縁だった。



運動神経は、多分普通だった気がするが、運動会で良い思い出があると言うわけでも無く特に嫌な思いをしたとかも無く、実に一般的な運動神経だった気がする。



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