覆面レスラー少女H
三十万円ってだけど、中途半端だなぁと思ったが今の私にとっては、大金だった。
多分周りもそうだろうと思えた。
ボボさんのショートタイツは、破れたのか布施をしている跡があるくらいだったからだ。
三十万円の為に、皆死に物狂いで来ると思われた。
ミスター金だけは、お金に困ってなさそうだったがどう出るかは、分からなかった。
山尾とミスター金の試合は、山尾の見事なジャーマンスープレックスホールドで決まった。
観客から大歓声が起こっていたが山尾は、手を上げると直ぐにリングを降りた。
「山尾さんのあがり症は、マイクパフォーマンスが出来ないから困るよね。
あれでマイクパフォーマンスがもう少し上手かったら完璧だったのにな。」
高橋君が残念そうに言った。
確かに、そうだが、それよりも賞金だ!
バトルロイヤルなら必ずしも実力がある者が勝つとは限らない。
バトルロイヤルは、時には、選手同士が協力して行うプロレスの試合だからそれを、真剣勝負でやるってだけで基本的ルールは、変わらないからだ。