覆面レスラー少女H
私は、女だからファールカップは、要らなかったが、手にテーピングを巻いてオープンフィンガーグローブを着けた。
山尾が、一番最後にオープンフィンガーグローブを着けてまだ、ブツブツ言っていた。
山尾以外は、身体を動かしてウォーミングアップを始めた。
皆、目を合わさなくなっていた。
玉田と私は、思わぬ形で真剣勝負になってしまったし、高橋君とボボさんもかなりの部分で真剣勝負だったが、最初から真剣勝負と分かってるのとは、全く違う気がした。
それもバトルロイヤルだから誰もが最後は敵になるのだ。
緊張感が、漂うのは当たり前だった。
あ!?皆がリングに上がるって事はレフリーが居ないじゃん!
「山尾さんバトルロイヤルのレフリー居ないじゃないですか?」
私は、ブツブツ言ってる山尾に聞いた。
「白石さんが、やってくれるよ。」
山尾は、上の空で答えた。
白石さん!?とんかつ屋白石の白石さん!?