覆面レスラー少女H


愛する者同士が戦うなんて神様は、なんて残酷なんだろう!



お腹がペコペコの時に、早く食べられるバナナにするかそれとも三時間待って焼き肉にするかって言われるくらい残酷だと思った。




あら!?女の子がバナナなんてはしたないって言うかバナナをはしたないと思う私がはしたないのか……




山尾は、しかしタフだった。




顔面に膝蹴りがまともに入っても高橋君に組み付くとそのまま高橋君を投げた。



高橋君は、直ぐに立ち上がると山尾に向かってウオーと声を上げながらキックを放って行った。




野獣のような高橋君の声に私は、キュンとなってしまったがいけない、いけない 今は、戦いに集中、集中と妄想を頭から振り払った。




高橋君のキックは、山尾を捉えていたがまだ余裕があるように見えた。




私は、助走をつけて走りジャンプして高橋君の肩に乗ると、そこから山尾の顔面めがけて渾身の膝蹴り入れた。



ゴキ!と変な音がして山尾は、マットに倒れた。




レフリーの白石さんが確認すると山尾は、失神していた。



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