マスカレードに誘われて

「今宵の舞踏会、おかしいと思いませんか?」

「何が?」

「どうして急に舞踏会と称し、誕生日を祝おうとしたのでしょうか?」

「それは、僕達が成人になるからじゃないかな?」

「そんな単純なものですかね……」

キースが溜め息をつく。
難しい顔をしたまま、歩みを進める。

ロイはそんな彼を訝しげに見た。

「何でそう思うんだよ?」

「仮にも、ロイ様とイヴ様は悪魔の子です。こうなることを予測して名前を消した筈。それなのに、どうして今になって復活させたんでしょう」

「あぁ、確かに……」

「不自然だと思いませんか?」

「言われてみれば、そうかもしれない」

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