マスカレードに誘われて

ジェームズが青い顔になったのも、ロイイヴの名前を復活させて、舞踏会を開くと言ってからだった。
もしかすると、彼は今宵の舞踏会は避けたかったのかもしれない。

「そう言えば、何か実験台にされてるような気分になったんだよなぁ……」

「どうしてです?」

「いや、ホールの明かりが消えたときがあったでしょ?」

「申し訳ございません。私、その時丁度席を外しておりまして……」

「うーん……ならしょうがない!」

申し訳なさそうに顔を伏せるキースを責める気にはなれなかった。
ロイは溜め息をつき、頭を振る。

< 101 / 164 >

この作品をシェア

pagetop