マスカレードに誘われて
ジェームズが青い顔になったのも、ロイイヴの名前を復活させて、舞踏会を開くと言ってからだった。
もしかすると、彼は今宵の舞踏会は避けたかったのかもしれない。
「そう言えば、何か実験台にされてるような気分になったんだよなぁ……」
「どうしてです?」
「いや、ホールの明かりが消えたときがあったでしょ?」
「申し訳ございません。私、その時丁度席を外しておりまして……」
「うーん……ならしょうがない!」
申し訳なさそうに顔を伏せるキースを責める気にはなれなかった。
ロイは溜め息をつき、頭を振る。