マスカレードに誘われて
「もしもの事があったために、地下室から十字架を取って来て欲しいって頼まれたんだ」
「どなたにですか?」
「グランド公だよ」
「……」
キースが黙り込む。
ロイは顎に手を当て、小さく呟いた。
「それで僕らはホールから出た訳なんだけど……何か、追い出されたように感じたんだよね」
「なるほど……」
「まるで、今まで起きたことを全部背負っていきなさいと言わんばかりにさ」
「それで、お二人は地下室へと向かったわけですね」
キースの言葉にロイが頷く。
キースは眉間に手を当て、深い溜め息をついた。