マスカレードに誘われて
「ほらほら、この話はもう終わり!さて、囚われたお姫様を助けに行こうじゃないか!」
「正確には妹、ですがね」
クスリとキースが微笑む。
彼は目の前にそびえる荘厳な扉の前に立ち、その扉の取っ手を掴んだ。
「準備は宜しいですか?」
「うん。覚悟は出来てる」
ロイの顔が緊張する。
キースを励ますため軽口を叩いたが、やはり不安は拭えていないようだ。
それでも彼はしっかりと頷いた。
キースが取っ手を引く。
扉がゆっくりと開き、中の様子が見えてくる。
ロイは剣を固く握り締めると、ホールの中へと足を踏み入れた。
今宵の事、そして真実と決着をつけるために。