マスカレードに誘われて

発言一つ一つに心が痛む。
自分は悪魔の子だ。
そして、イヴもである。

しかし、これで納得がいくわけではない。

「どうして……こうなることと分かっていて、わざわざ舞踏会を開いたんですか?」

声が、剣を握っている手が震える。
ぐったりとしたイヴを見る度、やるせない気持ちになってくる。

「答えて下さい。貴方の目的は、一体何なのですか?」

「私の目的、か」

くつくつと笑う仮面の男。
グランド公は一頻り笑った後、細い目でロイを見つめた。

「全ては、実験の為だったんだよ」

「実験ですって!?」

ロイが声を上げる。
グランド公に食って掛かろうとするのを、後ろからキースが押さえる。

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