マスカレードに誘われて
「やはり、気性が荒いところは変わってないね」
「そんなの、関係無いです!それに……!」
ロイは後ろを向こうともがく。
「キース、どうして止めるんだよ!!」
眉をつり上げ、キースを見ようとする。
しかし、羽交い締めにされている彼にキースの表情は分からない。
「……ロイ様、まだ早いです」
「早い?何が!?もう手遅れに見えるけど!」
「そう言うことではありません。恐らく、グランド公はまだ全てを話していない筈です。落ち着いてください」
「そんなこと言われても……!」
「決着をつけるのなら、全て理解した上でやりましょう」
ロイは耳元で、キースの恐ろしく静かな声を聞く。
彼が何を思っているのか分からなかったが、感情を圧し殺したようにキースは言った。