マスカレードに誘われて
ロイは肩の力を抜き、暴れることを止める。
キースは彼を放した。
「実験って何ですか?」
「18歳という節目を迎えたとき、悪夢は収まるかどうかと言う簡単なことだよ」
「で、結果は収まらなかったと」
「そう言うことだね」
目を細め、意地悪な笑みを浮かべる。
彼は目を逸らすと、思い出したように手を叩いた。
「それに加え、今年は何だか"影"が活発になった。ホールの窓から見ていても分かるくらいにね」
「そうですか」
ぶっきらぼうに返す。
心底どうでもいい。
それよりも、イヴを助け出さなければいけない。
「だから、分かったよ。やはり、悪魔の子は生きていてはならない。
君も、イヴも。そして……」