マスカレードに誘われて
「地下室と言うのは、暗くて寂しい場所だ。そんな場所を悪魔は好む。
どうやら、今日はキャメロンが先に封印をしていたらしいね」
「キャメロン……?」
「私の母の事です」
今まで黙り込んでいたキースが口を開く。
ロイは振り向き、目を丸くさせた。
「母は、今宵の事を想定していたのでしょう。地下室を封印し、ロイ様とイヴ様の仮面に保護の魔法を掛けた」
「そうだったの?」
「はい。私も、ある程度の事は妹から聞いていました。唯一の失敗と言えば、明かりが消えたときにホールにいられなかったことです」
あの時キースがいれば、あの地下室の封印が解かれることは無かっただろう。
ここに来て、初めてキースの顔が小さく歪んだ。