マスカレードに誘われて

「父様、ごめんなさい。僕……」

「いいよ。いや、良くないけど」

「ごめん、どっち?」

困惑したようにロイが尋ねる。
ジェームズは豪快に笑うと、再び彼の頭を撫でた。

「父さんにも分からないな。確かに、彼の件は社会的に色々とマズイかもしれないけど……」

「けど?」

「今夜の事が明るみに出れば、多分私達が社会的に抹殺されることは無いだろうよ。一応被害者だし」

「そうですか……」

とは言いつつも、やはり不安は拭えない。
そんな彼の肩を、イヴが優しく叩いた。

「大丈夫よ。絶対に」

「その根拠の無い自信はどこから来るの?」

「女の勘ってところからかな?」

< 148 / 164 >

この作品をシェア

pagetop