マスカレードに誘われて
「父様、ごめんなさい。僕……」
「いいよ。いや、良くないけど」
「ごめん、どっち?」
困惑したようにロイが尋ねる。
ジェームズは豪快に笑うと、再び彼の頭を撫でた。
「父さんにも分からないな。確かに、彼の件は社会的に色々とマズイかもしれないけど……」
「けど?」
「今夜の事が明るみに出れば、多分私達が社会的に抹殺されることは無いだろうよ。一応被害者だし」
「そうですか……」
とは言いつつも、やはり不安は拭えない。
そんな彼の肩を、イヴが優しく叩いた。
「大丈夫よ。絶対に」
「その根拠の無い自信はどこから来るの?」
「女の勘ってところからかな?」