マスカレードに誘われて

クスリとイヴが笑う。
彼女はジェームズに尋ねた。

「身体は大丈夫なの?」

「うん。別に毒を盛られたとか、そう言う訳じゃないからね」

「そう……でも、無事で良かったわ」

へにゃりと笑えば、父の顔も自然と綻ぶ。
そんな彼等をロイは呆れたように眺めた。

「親馬鹿だね」

「んなっ!?だって、やっと公然の場で話せるんだぞ?そりゃあ、嬉しくなるに決まっているでしょうが!」

「それは分かってるよ!でも、その情けない顔どうにかしてよね」

「ロイ……何か変わった?」

「さあ?」

ロイも悪戯っぽく笑う。
それにつられ、二人も笑った。

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