マスカレードに誘われて
その様子を後ろから眺めている男二人。
「青年よ」
おもむろにジェームズが声を掛ける。
彼は自分の目元を指差し、それから青年の目元を指差した。
「仮面は取りなさい。もう、何も隠す必要なんて無いんだ」
「はい!」
イヴを誘ったことで何か言われるのではないかと身構えていたが、特にそのような事ではなかった。
青年は安心したように返事をし、仮面を取り外す。
イヴが楽しそうに笑う姿を見て、ロイは小さく口を尖らせた。
「イヴばっかりズルいな。僕も女の子誘ってこよう!」
「ロイ、待ちなさい」
意気込むロイをジェームズが呼び止める。
ロイは不満そうに彼を見た。