マスカレードに誘われて
*
素晴らしい時間ほど、あっという間に過ぎていくものだ。
ロイもイヴもそれぞれ楽しい時を過ごし、満足したようだった。
「そろそろ、元いた場所に戻りたいです」
窓の外を見ながら、ルーベルトが口を開く。
それを聞いたロイとイヴは、お互いに顔を見合わせた。
「元はと言えば、私は普通の絵画です。夜明けと共に、魔法は消えていくのですよ」
「じゃあ、もう話すことはできないの?」
イヴが眉を曇らす。
ルーベルトは、とんでもないと言う風に手を振った。
「そんなことはありません!また来年、ハロウィンと言う素敵な日になれば、会うことは出来ますよ」
「本当に!?」
「えぇ、本当です。今宵は私らの願いを叶えてくださり、ありがとうございました」