マスカレードに誘われて



素晴らしい時間ほど、あっという間に過ぎていくものだ。
ロイもイヴもそれぞれ楽しい時を過ごし、満足したようだった。

「そろそろ、元いた場所に戻りたいです」

窓の外を見ながら、ルーベルトが口を開く。
それを聞いたロイとイヴは、お互いに顔を見合わせた。

「元はと言えば、私は普通の絵画です。夜明けと共に、魔法は消えていくのですよ」

「じゃあ、もう話すことはできないの?」

イヴが眉を曇らす。
ルーベルトは、とんでもないと言う風に手を振った。

「そんなことはありません!また来年、ハロウィンと言う素敵な日になれば、会うことは出来ますよ」

「本当に!?」

「えぇ、本当です。今宵は私らの願いを叶えてくださり、ありがとうございました」

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