マスカレードに誘われて
大学の図書室で偶然見付けた本。
読み耽るうちに、いつの間にか辺りは暗くなっていた。
今日はハロウィンだ。
大学構内は、ハロウィンパーティーで盛り上がっている。
突然、図書室のドアが勢いよく開いた。
「あれー?ジュリア、こんなところにいたの?」
「あー、うん。ちょっと読んじゃって……」
「もう!今日の主役がこんなところにいてどうするのさ!」
「えへへ。ごめんね」
平謝りし、私は彼女の元へ近付いた。
「ジュリア、お誕生日おめでとう」
「ありがとう!」
そして、私は扉を閉めていった。
机の上に置かれた一冊の本。
過去へ誘うその本は、これからも後世へ繋がっていくだろう。
【End】