マスカレードに誘われて
「私の母が少々そのような力を持っていまして……それで、ロイ様とイヴ様を守ってくれるよう、魔法を掛けてもらいました」
「魔法なんて、本当にこの世に存在するの?」
「ええ。勿論」
イヴの問い掛けに、彼女は顔を綻ばせて答えた。
まるで、母親の持っている能力を誇らしく思っているかのように。
「正確に言えば、おまじないみたいなものです。心配なくとも、必ずあなた方を守ってくれるでしょう」
「はぁ……」
少し困ったように反応するイヴ。
いきなり言われ、やはりどう相槌を打ったらいいのか分からない。
「そろそろ時間です、イヴ様」
エリカは壁に掛かっている時計を一瞥し、イヴに仮面を付けた。