マスカレードに誘われて
「落ち着き無いわね」
「だってさ、こう言う服着るの、初めてだし」
「だからと言って、あまり目立つような行動はしないでね」
「今日の主役なのに?」
不満げな表情を浮かべ、イヴを見る。
彼女はロイから、すぐ隣で談笑している女性達に目を向けた。
「聞きました?ホーキング家のお二人、悪魔の子らしいですよ」
「あら、嫌になっちゃうわ」
「グランド公の説得が無かったら、こんなパーティー来ませんわよ」
「奇遇ね。あたしもよ」
笑い声が聞こえてくる。
ロイの顔は蒼白になり、イヴはため息をついた。
「少なくとも、お祝いはされていないようね」
「……そのようだな」