マスカレードに誘われて

「イヴも一段と綺麗になったようだね。見た目通り、頭も良さそうだ」

「ありがとうございます。グランド公も、お元気そうで何よりですわ」

簡単な世間話をする。
固い空気がほぐれたところで、ロイが彼に尋ねた。

「今回のパーティー、グランド公が周りの方々を説得してくださったらしいですね。
本当にありがとうございます」

「いやいや、やっぱり君達も社交界に出るべきだと思ってね。
それに……そろそろ、悪魔の子などと古い慣習に囚われたままではいけない」

グランド公が優しく微笑む。
その笑みは、二人を安心させた。

やっと自分達は認められたのだ、と。

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