マスカレードに誘われて
渋るロイ。
彼は一瞬躊躇ったが、グランド公に向かって、はっきりと言った。
「しかし、今夜は地下室には近付くなと言われています」
「そうか……困ったなぁ……」
仮面の上からでも分かる。
グランド公は困惑した笑みを浮かべながら、ただ二人を見つめていた。
頭を悩ませるロイの袖を、イヴが引っ張る。
「時には例外ってこともあるんだよ。ここでわたしたちが動かなくて、皆さんを傷付けてしまったら面目が立たないわ」
「そうか……それもそうだよな!」
ロイの顔が明るくなる。
それと同時に、グランド公の顔も輝いた。
「じゃあ、私の頼みを聞いてくれるのかい?」
「勿論!僕達に任せてください!」