マスカレードに誘われて

一瞬、彼女はにっこり笑うと、すぐ側に立て掛けてあった剣をとった。

後ろで、扉の閉まる音がする。
ついでに、鍵を掛ける音もした。

これで完全に一人。
助けてくれる人などいない。

湖面が更に激しく波打つ。
次の瞬間、たくさんの"影"が湖面から這い上がるように現れた。

彼女の剣を握る力が強くなる。

「毎年毎年、ご苦労様ね。貴方達は、ここで朽ちるがいい!!」

彼女は不敵に微笑むと、影に向かって駆けていった。


エリカ・ローラントがここまで生き延びていること事態、奇跡に近い。
何故なら彼女も悪魔の子だからだ。

いつ死んでもおかしくない、一年に一度のこの仕事。
今年も彼女は、人ならざる物に剣を振るう。

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