マスカレードに誘われて
封印の解除
「階段を降りたのはいいけど……地下室ってどこにあるのかしらね?」
廊下を歩きながら、イヴが尋ねる。
積極的に前に進むイヴに対し、ロイの足取りは重いままだ。
「そこの角を曲がって、一番奥に地下室へ続く階段があるよ」
「まぁ、驚いた。調べてあるのね!」
「調べてあると言うか……たまたま見付けたんだ」
ほんの僅かだが、ロイの表情が明るくなる。
そして、彼は辺りを見回した。
「嫌な予感しかしない……」
廊下の両端には、剣や斧を持った甲冑が並んでいる。
恐らく、この剣は本物だろう。
その事が、ますますロイの不安感を煽った。