マスカレードに誘われて
廊下を曲がる。
廊下の奥に、地下室へと続くとおぼしき階段があった。
赤い絨毯を踏み締め、廊下を進む。
そして、地下室へと続く階段を下りた。
冷たい石畳が、廊下との空気を遮る。
所々に設置されている燭台の蝋燭の炎が、不気味に足元を照らしていた。
「……!」
階段を下りると、茶色い扉があった。
イヴが蝶番(ちょうつがい)に手を伸ばす。
それをロイが止めた。
「やめた方がいいんじゃないかな?グランド公はああ言っていたけど、ここに十字架は無い気がするよ」
「それでも、確認くらいはした方が……」
そう言ってイヴは蝶番を掴んだ。