マスカレードに誘われて
「……え?」
ロイが固まる。
彼は目を丸くし、イヴを凝視した。
彼女は綺麗な青い瞳で、ロイを見つめ返してくる。
「わたし、本で読んだことがあるの。これって、ハロウィンの呪いなんじゃないかな」
「呪い……」
彼女の言葉を反芻する。
しかし、さっぱり分からない。
「『10月31日の夜、悪魔の子がいる家には悪魔が舞い降りる』って。
どんなことが起こるかは、詳しく書いてなかったけど……」
「……嫌な日に生まれたもんだな」
苦々しく息を吐けば、そんなこと無いと言わんばかりに首を振る。
「そんなこと言ったら、お母様に失礼だわ。わたしたちを、この世の生かしてくれているんだから」
「……」