マスカレードに誘われて
イヴも頷き、二人は図書室を後にした。
扉を開け、左右を確認して外を出る。
「図書室だけじゃなかったんだ」
ロイが目を見張りながら呟く。
イヴは不思議そうな顔をしていたが、現状を把握したようで、すぐに顔を青くした。
一言で表すなら、それは悪夢だ。
廊下に飾ってあった花瓶が浮き、中の花が辺りに散っている。
掛かっている絵画からは話し声が聞こえ、まるでそこに誰かがいるよう。
そして剣や斧を持った甲冑が、二人を探しているかのように、辺りを徘徊していた。
「見付かったら危ないわ。迂回しないと」
「う、うん……」
「ロイ?大丈夫?」