マスカレードに誘われて
「と言うか、ドレス重い!そうだ。体型的にも、イヴは軽いはず。やっぱりドレスが重いんだ。
……いや、今はそんなこと言ってる場合じゃないか」
「そんなこと言うんだったら下ろして!いや、言ってなくても下ろして!」
「それは無理」
「このままでは、ロイまで引き込まれちゃうわ!」
「イヴを見捨てるくらいなら、僕も一緒に呑まれた方がマシだ!」
「ロイ……」
「だから暴れないで!走りにくいから。しっかり掴まってて」
「う、うん」
戸惑いながら、イヴはロイの首に腕を回した。
そして、ぎゅっと目を瞑った。
来ているのが分かる。
嫌だ、見たくない。