†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~
「ありがとうございます。では、私の自己紹介を。」
男は、紫乃にそっと名刺を手渡した。
「…大久保グループ社長秘書、って……」
驚きの瞳と表情を向ける。
「はい。大久保グループ社長秘書・滝沢(たきざわ ふみや)文也と申します。」
軽く頭を下げる男をまじまじと見つめる。父親の会社で働く社長秘書。つまり男は、父親の秘書だ。
「お父さんの秘書…さん?」
父親の秘書と知り少し安堵した。