†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~
  

「先に荷物を持って出ますのでお待ち下さい。」


 紫乃は、黙って見送った。

 》 

「ん…」


 ふと気が付くとまた、眠っていたようで周りが薄暗かった。


「…何時、かしら。」


 ベッド横にある時計を見ようと起き上がり驚いた。時計が見当たらない。


「…どういう、事?」


 病室では…なかった。高い壁に横長の窓があるだけでベッドとクローゼット・バスルームとトイレと言う必要最低限の物しかなかった。


「なんで?」


  
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