†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~
  

 話しながら病室に入ると腕を組み自分を見ている主がいた。


「滝沢、ゴミを始末しといた。報告書が遅れないようにな。」


「畏まりました。紫乃さま、本日で退院となります。」


 カーテン越しに声をかけられて紫乃は、顔を出す。


「滝沢さん!」


「着替えは終わったのか?」



「はっ、はい!」


 また、冷たく言われ慌てて返事を返す。


「滝沢!」


「はい。」


 返事を返し紫乃の前に立つ。


「紫乃さま、まだ歩けませんよね。車椅子にどうぞ。」


  
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