†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~
  

 小さく返事を返すとドアが開いた。


「あなた…」


 身体を起こす力もなく寝かせたまま開いたドアに目線を向ける。やっぱりあの冷たい目の青年が立って居た。


「そう…あなたが、お父さんの会社の新社長さんなの?」


 何故か…そんな気がして声をかけてみた。


「良く解ったな。俺が大久保財閥・大久保グループ新社長の西森(にしもり しょう)翔だ。」


 ガチャンと青年の後ろ手にドアの閉まる重たい音が響いた。

 たんたんと答える青年に震える。


  
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