†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~
「おい、“ただ”なんだ。」
青年の苛立ちが伝わる。
「ゆっくり考えたくて。」
「考える時間ならいくらでもある。お前は俺のモノ。」
ニヤリと口の端が上がる。あの時の将大を思い出す。身体も起こせず逃げ場がない。
「お願いっ、近づかないで!」
ゆっくりと自分に歩みを進める。
恐怖で叫んだ。青年の顔付きが変わったのが解った。
―・―・―・―・―・―・―
「お前に意見する権利も、拒否権もない。」
「そんなっ。」