†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~
  

 明奈は、ようやくベッドから出てバスルームに向かう。


 》 》 


「先生は、奇妙に思いませんか?」


「気にしません。」


 さらりと返されて少し悲しかった。


「これから週に2、3度来るから頑張ろうね。」


「はい。」


 自分の欲しい答えは、得られなかった。


「先生、お帰りか?」


 声に身体が無駄に反応する。


「西森さん。いま、終わりました。これで失礼を。」


 男は、鍵を翔に手渡し部屋を足早に出て行く。


「ただいま、カゴの鳥。」


  
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