†侵愛†~そっと貴方の毒牙にかけて~
  

「紫乃のリハビリは、順調か?」


「はい。」


 家主の現れに驚いた。


「翔くん…あの子を閉じ込めてるのかい?」


「心外ですね、先生。あの子を助けたんですよ。」


 平然と嗤って言う。


「翔くん…考えなさい。あの子は、両親を亡くして傷ついているんだよ。
 身体は癒えても、心は…」


 諭すように声をかけてみた。


「先生、薬…ありがとうございます。お気をつけて。」


 有無を言わさぬ笑みを向けて追い帰した。


  
< 80 / 98 >

この作品をシェア

pagetop