結婚してください。パンツ見せてください。
「ブハァ」
いつの日か見たことのある、無表情での大笑い。
「笑ってんじゃねえええええええええええええええ!! 俺今いいこと言ったよ、言ったよね!? なのに何で笑われなきゃいけねぇんだよ!」
「いや、す……すいませ、ん。覚えておけよって……まさに負け犬、ブハッ」
「負け犬ってか、負け犬って言ったのか今! テメェそれが自分に告白した相手に言う言葉かよ!」
軽く半泣きで訴えかけると、昴が一瞬視界から消えた。
そして。
――ちゅ
「……なっ」
右のホッペで可愛いリップ音。
「まぁ、覚えておいてあげますよ。せいぜい、頑張って私の事落としてくださいね」
こ、こいつ……!
人が告白を取り下げた途端(とたん)、いつもの調子に戻りやがって!
「っ、お前、本当にいい根性してるよな! 絶対に好きって言わせてやるからな!」
真っ赤な顔して、説得力の欠片(かけら)もない。
昴は必死な俺を軽くあしらって、部室を出て行ってしまった。
「……ちくしょ」
やばい。
右の頬(ほほ)がまだ熱い。