結婚してください。パンツ見せてください。


『さぁ、始まりました! お互いのプライドと女性を賭けた、お弁当早食い対決! 司会は僕、奈々緒がお送りさせていただきます! 解説はこの方!』


『どうも、解説の加藤です。正直、状況がまったく理解できてません』





おそらく進同様、読者の方々も今の状況がまったく理解できていないだろうから、俺が説明しよう。



蓮華に勝負をしかけたが、殴り合いは色々問題になってしまう。

一応、俺と進は生徒会の者だし。


なら、せっかくだし昴の手作りお弁当早食い対決で決着をつけよう。と、どこからか出てきた奈々緒の意見が採用された。



ちなみに、昴は食堂のキッチンをお借りして弁当を作っている。



ここの学校の職員や生徒は、こういうお祭り騒ぎが大好きだからな。

観客も大勢いる。





俺と蓮華は真ん中のテーブルに、最初の弁当を置き、その場で座って待機。







『では、ルールの説明です!食べるお弁当は一人三つ。制限時間はなしで、どちらが早く食べ終わるかで勝負が決まります。審判は有栖川さんです』




『有栖川ァ!? 何してるんだ!!』



進が司会と解説用の机から身を乗り出して、俺達の隣に立っている有栖川に叫んだ。



まぁ、そりゃ彼女がおかしな事してたら驚くよな。




有栖川はいつになく真剣な顔をしながら、進に言った。


「親友の仙崎さんの運命がかかってるんです! 大好きな進くんの言う事でも、今は聞けません!」


『落ち着け紗綾(さあや)! 頼むから関わらないでくれ! お前だけはまともでいてほしいんだよ!』





どうやらかなり本気で焦っているらしい。

進は人の前で彼女の事を名字で呼ぶのに、今は下の名前で呼んでたな。





しかし、そんな進の心配も有栖川には届かず。審判は変わらなかった。
















『悠吾……蓮華……』



進が用意されたマイク越しに、ドスのきいた声で俺達に呼びかけた。



























『これが終わったら、表に出ろ』

































おそらく。


勝負に勝っても負けても、俺達は死ぬだろう。
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