結婚してください。パンツ見せてください。
怒鳴ったのは蓮華だ。
そのあまりの声に、さすがの進も驚き立ち止まった。観客も静かになる。
蓮華はフラフラになりながらも、また椅子に座った。
「勝負は、まだ、ついてねぇだろ」
「……蓮華」
媚薬ならまだしも、睡眠薬を多く摂取してしまうと副作用などで危険な場合がある。
俺達はかなりの弁当を食ったし、本当にやばいかもしれない。
なのに、この男は。
「…………」
そうか。
俺に足りないものは、それだったのか。
俺はいつも、自分のことしか頭になくて。自分を守るのが精一杯だった。
昴のためなんて、考えてなかった。
蓮華。
俺はお前を、尊敬する。
「どうした、東藤クン。しおらしく座っちゃって。ヨユーだね、それとも諦めた?」
だからこそ、尊敬するからこそ。
「……ふん、お前のアホ面に見入ってしまってな。鼻毛出てるぞ」
「でてねーよ」
俺はお前を、倒す。
『な、なんと! 東藤選手と蓮華選手、席に戻ったー!』
『お前ら危ねえぞ! 救急車呼ぶから寝てろ!』
すまないな、進。心配かけて。
だけど、負けられないんだ。
昴のために。